ZINEから雑誌まで!台湾アート系ブックストア下北沢世代インタビュー

本・雑誌・リトルプレスやZINEを扱う台湾のオンラインブックストア、下北沢世代。
下北沢世代は、台湾唯一のアート系セレクトブックストアと言えるだろう。台湾の巨大な書店、誠品書店内のギャラリーで展示会を開くほど、台湾の出版・クリエイティブシーンにおいて重要な存在である彼ら。DavidとMonique、2人の人柄も面白く、インタビュー中は楽しく温かい時間を過ごさせてもらった。今回取材に使わせていただいた台北のカフェ、61NOTEの情報も最後に掲載。下北沢世代、初の日本語での紹介記事!



下北沢世代 Shimokitazawa generations
http://shimokitazawa-books.com/

Flickr: http://www.flickr.com/photos/futari-issue/



──私は台湾のアーティストやクリエイターたちとfacebookでフレンドになったことから偶然に、“下北沢世代”をfacebookで見つけたんです。中国語なのでほとんどわからなかったんだけど、セレクトしている本の表紙や中身のデザインがどれも素晴らしくて、面白い!かっこいい!と思って。

下北沢世代(以下、下北沢):ありがとうございます!

──それでは、まずは下北沢世代について軽く教えて下さい。

下北沢:2007年から始めたオンラインのセレクトブックストアです。Moniqueと、David、私たち2人でやっています。今は地下鉄中山駅の近くにスタジオを準備しています。3月にオープンする予定ですよ。今掃除や片付けを必死で頑張ってます(笑)。

──どうして下北沢世代を始めたの?

下北沢:最初はblogとflickrで、私たちが買った本を紹介していたんです。「こんなZINEを買いました」「こんなアートブックを買いました」という風に。元々本が大好きなんです。そうしていくと、見てくれている人から「私もこれが欲しい!」という反応がよく来るようになったんです。それで、海外から本を購入するときは2、3冊買って、それを欲しいと思った人にも販売するようになりました。これがオンラインストアの始まりです。特に中国大陸の人たちはインターネットが不便なので、私たちがセレクトしたオンラインストアから買うのが便利なようです。

──本当に本が好きなんですね。どんな本が特に好きですか?

下北沢:自主出版やリトルプレスがとても好きです。あとショップのカタログや写真集も好きです。下北沢で今扱っているのは、写真集が40~60%ぐらい、あとは雑誌、ZINEなどですね。

──日本からもたくさんリトルプレスや雑誌を仕入れているみたいですけど、セレクトが日本人でも知らないようなものだったりしてマニアックですごいですよね。いったいどうやって探してるんですか?

下北沢:とにかくインターネットでチェックしています。2人とも昼間は仕事をしているから、寝る間を惜しんで。本当に私たちが気に入ったものだけを集めています!
(Moniqueは台湾のデザイングッズショップ、蘑菇 Boodayで商品管理の仕事をしながら、Davidは雑誌編集の仕事をしながら、下北沢世代を運営している。)


>>>下北沢世代が企画開催したイベント・展示会『グッバイ雑誌』で配布されたZINE。惜しまれながらも廃刊となってしまった雑誌の展示をすることで、縮小していく紙メディアとしての雑誌について問いかけをしたイベント。2011年2月18日より1ヶ月間行なわれた。このZINEは、下北沢世代の友人で、台湾人でありドイツ出身のLi-Han Lin (林立漢)の写真集であり、展示内容の解説も掲載されている。


──下北沢世代のお客さんはどんな層ですか?

下北沢:19歳~30代ぐらい、女の子のほうが多いですね。

──今スタジオを作ってるってことだけど、そのスタジオでも販売する予定?

下北沢:うん、そうですね。でも普段仕事してるので、土日だけのオープンになります。とても小さいスペースですけどね。13平米ぐらいの。台湾にはセレクトブックショップってないですから、唯一のショップです。

──確かに本屋さんって大手の誠品書店ぐらいしかないですよね。スタジオのオープンが楽しみです!そしてたくさん資料やパンフレットを見せてくれてありがとうございます!このART BOOK PROJECT、よくfacebookで紹介してましたよね?

>>>ART BOOK PROJECTは、まさにアートブックやZINEを台湾でもっと広めようとする、下北沢世代のプロジェクト。


下北沢:そうです。ZINEを募集して、私たちが選んで、紹介してます。

──今おすすめの台湾のZINEありますか?

下北沢:このZINEたちがオススメです。
このZINE作家はすごく面白くて、普通のスーパーマーケットで売ってるスナック菓子の袋のなかに、漫画のZINEが入ってる、っていうZINEを作っていました。お菓子食べながらZINEが読めます(笑)。台北の作家、陳雨琦・米琦が作ってます。こっちも同じ作者のZINE。自分の飼ってる猫をテーマに『三貓俱樂部』というZINEを作っていますね。
http://meowmeowcat.tumblr.com/
photo from 下北沢世代's Flickr

あとこのZINEも面白いですよ。この人の体験を元に作っていて、作者の方希文(Juliet Fang)はアイスランドに住んでいたとき、毎日羊しか見なかった、と。羊と、家と、それだけなんです。その情景を元に作られた美しいZINEです。
It's about Iceland sheep
www.julietfang.com
photo from 下北沢世代's Flickr


──台湾でZINE作りは流行ってる?

下北沢:まだあまりZINEを作っている人は多くないです。作っている人はいますが、継続して作っている人はほとんどいないですね。この2年でZINEが浸透してきたので台湾発のZINEも増えるとは思います。

──ちなみに、どうして下北沢世代って名前にしたんですか?

下北沢:日本に旅行に行くのが好きで、年に1回か2回行っています。そして、下北沢の雰囲気が大好きなんですよ!

──私は大阪に住んでるし、下北沢って1回ぐらいしか行ったことないんだよね。

下北沢:どうしてなんですか!?あんなに面白いのに!下北沢は変な人が集まっているイメージで、面白いです。私たちは音楽も好きなので、下北沢は楽しい場所です。特に下北沢駅の出口周辺が一番好きで、駅を出るとすぐに弾き語りとかライブをやってるのが面白くて……(笑)。

──駅の出口!そうなんですか(笑)。じゃあ私も次回東京に行ったときにはぜひ下北沢駅出口に行ってみます!最後に、これから展示やイベントの予定などはありますか?

下北沢:LIP(離譜)という日本発の雑誌の企画イベント『Only ROCK』で下北沢世代がコラボレーションします。LIP(離譜)は台湾版も出ています。日本からはフジロッ久(仮)、台湾からは透明雑誌、沖縄からCivilian Skunkが参加して、ライブイベントをやりますよ。チケットを買うと最新のLIPマガジンももらえるという仕組みになってます。3月30日に台北のThe WALLというライブハウスで開催されます。日本でもニコニコ動画で中継があるみたいですよ!
Spice Production Presents
離譜vol.10「Only ROCK」LIVE@台北
Supported by Share Creative Lab. LIP
日期:3月30日(金)
時間:Open19:30/Start20:00
票價:預售Advanced NT.500 / 現場At Door NT.600 (離譜vol.10付き)
購票請洽:
THE WALL公館 / THE WALL網站(INDIEVOX) / 博客來售票網 *1/9(一)12:00始開放售票

場地:The WALL 公館
地址:台北市文山區羅斯福路四段200號B1(基隆路口,捷運公館站一號出口)
城市:台北
地區:台灣

演出者:
透明雜誌
Civilian Skunk
フジロッ久(仮)

主催:SPICE PRODUCTION
共催:Share Creative Lab. LIP
制作:BlueTreePress
制作協力:Noah International Taiwan Corp.
運営協力:下北沢世代

企画:離譜vol.10 @Taipei Project

聯絡電話:02-33933937
聯絡信箱:bluetreepress@gmail.com

>>>これがLIP台湾版!



下北沢世代の取り扱う本は、海外発送も受け付けているとのこと。購入するショッピングカートは中国語での表示となる。また、近日スタジオもオープンするとのことで、追ってOffshoreにて下北沢世代のスタジオに関しても紹介予定。

なお今回、インタビューに使わせていただいた場所は、下北沢世代の二人が「私たちがよく行くカフェなんです」と指定してくれたカフェ、61NOTE。中山駅から3分ほど歩いたところにある。このカフェがまた素晴らしく良いお店で、なんとオーナーは日本人の方。今回、下北沢世代は慣れない日本語でインタビューに挑戦してくれたが、伝わりにくい部分は、61NOTEの東さんに通訳していただいた。東さん、ありがとうございます!


61NOTE Shop&Tea http://www.61note.com.tw/
台北市南京西路64巷10弄6號
Tel:25505950
営業時間
火ー金: 12:00 pm - 10:00 pm
土・日: 11:00 am - 10:00 pm




61NOTEの店内は、1Fがカフェ・ショップスペース、B1Fにもカフェスペースがあり、B1Fでは小さなエキシビションも開催されていた。

ショップに並ぶ商品は、東さんご自身が使ってみて、気に入ったものしか仕入れていないとのこと。インタビューの合間、ショップスペースに入り並んでいる商品を見たとき、一瞬にして東さんの強い想いが伝わってきた。コンセプト・美しいデザイン、そして機能美をもった商品が並ぶ。お店の人が自分で使って選んだ商品を紹介しているという信頼感。個人経営が淘汰されていく日本では、こんなセレクトショップは少ないかもしれない。日本モノに限らず、世界から商品が集まっているのも面白い。台北の若手実力派デザイナー達もよく訪れるというカフェなので、デザインやクリエイティブに興味のある方にはぜひ行ってみてほしい。


取材日:2012年1月7日
interview & text by 山本佳奈子 (Kanako YAMAMOTO)