セルフレポート:Offshore企画『見て触る!アジアのペーパーメディアたち』

7月7日にUPLINK ROOMにて行なわれたOffshore企画は、“紙媒体”からアジアをめぐるトークイベント。Offshore山本佳奈子とトークゲスト石崎孝多氏が持ち寄った、日本以外のアジアで集めた紙媒体を中央の机に並べた。
Offshore: 紙でめぐるアジア「見て触る!アジアのペーパーメディアたち」開催決定!

>>>石崎さんの持参した紙媒体が並ぶテーブル。

来場者の方々が興味津々に手に取る様子が印象的だった。
普段見られないアジア発の紙、紙、紙。
雑誌、アードブック、zineから包装紙、チラシまで。
インターネットメディアが台頭するなか、独特の価値を認識され始めた紙媒体。
日本で紙に関わる人たちがアイディアを得る機会になったことかと思う。




山本佳奈子(Offshore・以下、山本):じゃあさっそく私たちが持ってきた紙の紹介を。
このテーブルに乗っているのが私の持ってきたもので、だいたい香港・台湾・ちょっと北京・シンガポール・バンコクですね。向こうが石崎さんの持ってきたもののテーブルですね。

石崎孝多(以下、石崎):9割型韓国で、あと中国のものもあります。

山本:では適当にピックアップして紹介します。

山本が持ってきたペーパーメディアたち

・シンガポールのクリエイティブなガイドブック。地図付き。シンガポールのカフェオーナーやショップオーナーがおすすめするお店が紹介されていく。

・台湾ビッグイシュー。月刊誌。アート・ライブイベントの紹介も。国際情勢がメイン。表紙デザインを台湾のグラフィックデザイナー聶永真(アーロン・ニエ)が担当。

・タイファッションデザイナー、ウィーさんのリメイクHOW TO本。背表紙が布地。リメイクに使える型紙付き。

・タイのブランドflynow!の包装紙。

・ドラえもん実写版?!台湾セブンイレブンのドラえもんキャンペーンのチラシ。

石崎さんが持ってきたペーパーメディアたち

・ONEPIECE MAGAZINE ひとりのアーティストの特集を軸に展開される雑誌。

・NOT MAGAZINE クリエイティブ情報誌。日本で言うとBRUTUS?BRUTUSよりもアート性が濃い。フリー配布。日本人が特集されることも多い。webデザインも洗練されている。

・韓国のアートレシピブック。レシピを写真で説明するのではなく、イラストレーターがイラストで表現している。

・韓国のアートフェアで購入した、若い現代アーティストのカタログ。


石崎:韓国ではzineではなく独立雑誌と呼ぶらしいです。その呼び方が面白いなと思いました。韓国でのzineブームはすでに10年ぐらい前に来ていたそうです。いったん下火になって、最近また盛り上がっているようですよ。

>>>山本の持参した紙媒体が並ぶテーブル。

■お金の話
※来場者だけへの特典ということで、具体的な話は割愛。取材相手だけ紹介する

山本:今回は、印刷にいくらぐらいかかっているのかというミニ取材をメールで敢行しました。紙の印刷に関わるアジアのクリエイター達に、事前にメールして返ってきた答えを紹介します。

香港・Graphicairlines
彼らはグラフィックデザインの仕事もしているし、ストリートアーティストだから壁にボムしに行ったりステッカー作って貼ったりしています。

タイ(日本人向け)・DUDE MAGAZINE コントリビューターTaekoさん
DUDE MAGAZINEで唸るコラムを書いておられるバンコク在住の女性です。DUDE MAGAZINEは、いわゆるタイのクラブ、今まで日本人が想像しているような恋愛目的で遊ぶクラブではなく、しっかり音楽を楽しむ事ができるクラブ情報が掲載されています。

台湾・下北沢世代
すっかり日本でもお馴染みになった、台湾のアート系ブックのオンラインショップ。土日だけリアル店舗がオープン。

シンガポール・kittywu records
ポストロックを中心とした音楽レーベル。リリースされるCDパッケージのデザインが複雑でいつも面白い。むしろ、一般的なプラスティックジャケット・普通の紙ジャケットでのCDはリリースしない。


山本:まあそんな結果で、このイベントの告知で「アジアの印刷は安い」みたいなこと書いてたんですけど、意外と安くなかった。すみませんでした(笑)。安いのって台湾ぐらいですね。

石崎:そうですね、韓国は僕は印刷会社までは見ることができなかったんですが、韓国も日本と比べると安いそうです。

:::::::イベント当日にご紹介しなかった回答を追加:::::::
シンガポールのブックスタジオ、LA LIBRERIAのエリコさんからの回答

Q. ART BOOK FAIR、またはzine fairのような大きなイベントはありますか?
A. 残念ながら、シンガポールではzineフェアのようなものはありませんが、コミックブック/グラフィックノベルズは美術学校の生徒の作品を学内外で、展示販売したりしているようです。

Q. 例えば、シンガポールで製本を印刷会社に頼むとします。だいたいの相場、ご存知でしょうか?製本方法やカラー・モノクロによって値段は変わってくるかと思いますので、もし有名な印刷・製本会社などあれば会社名を教えていただけませんか?
A. 私自身,出版を頼んだ経験が無いのでハッキリした相場は正直わかりません。シンガポールの印刷会社はピンキリです。クオリティーを下げずにリーズナブルなところを探すのは大変苦労します。あくまで参考にですが、あるアーティストは4色刷りでA5サイズ、厚さ150mmを1,000部で約$7,000(約450,000円)かかったそうです。

シンガポールで一番有名な印刷・製本会社はDOMINIE PRESS PTE LTD EDITIONです。アーティストやデザイナーからの信頼があります。
url : http://www.dominie.com.sg/


■ショップ紹介

山本:では、アジアのおすすめショップの紹介を。

石崎:韓国のyourmind、ロゴとお店の内装デザインが一緒で、店内が素敵です。家の形のロゴをしているんですが、同じように三角屋根の内装で、ビルの最上階にあります。その三角屋根の上の方まで本が積まれていて、脚立に登っても一番上の本が取れないっていう…。あと猫がいますね。普通に猫が商品である本の上を歩いてウロウロして、その光景が本当に和むんですよ。あとBook Societyも面白いです。ここはかなりzineが多いです。

山本:Book Societyはイベントの企画などにもアグレッシブに取り組んでおられるそうですよね。

石崎:workroomも面白いですよ。棚が渦巻き状になっていてそこにぐるっと本が積まれていたり。ここはアートブック屋というわけではなく、小説や一般の書籍があるブックカフェです。
韓国は、こういった棚や壁の使い方が面白いお店がありましたね。

山本:私のブックショップ紹介は、参加者特典のzineでお伝えしています。
※特典zine「アジアのペーパーメディアガイド」PDF版を200円でご購入頂けます。
アジアのペーパーメディアガイド

石崎:日本はここ5、6年がzineのブームかなと思うんですが、韓国もシンガポールも、もっと前に流行っていたというのが興味深いですね。でも日本の場合は、ミニコミをzineと定義するとすれば、もっと昔から流行っていたということだし。

山本:DIYなものだけに定義づけや経過を辿るのが難しいですね。
では、残り30分は自由にテーブルの上の本・zine・チラシなどを触っていただいて、個別に質問も受け付けさせていただきます。本日は本当にご来場ありがとうございました!

>>>トーク終了後。


text by: 山本佳奈子 Kanako YAMAMOTO